投稿者「林英紀」のアーカイブ

コーニシュ物語④コーチビルダーとは

 コーニシュの歴史は、1967年に4ドアサルーンの「シルバー・シャドウ」ベースに、コーチビルダーのマリナー・パークワード(以下MPW)により作成されたボディを乗せた「MPW・ドロップヘッドクーペ」により始まります。

 戦前、ロールスロイス社は、シャーシと機関、駆動系だけを供給し、ボディは「コーチビルダー」と呼ばれる会社が、顧客の好みに応じて手作りしていました。馬車の時代から熟練した職人を抱え、美しい木目の木材や豪華な生地を使い、贅沢な客室を作っていた会社群で、中には数百年の歴史を持つものもあります。

 戦争に勝った英国はその代償として多額の借金を抱え、戦後、高価な運転手付きの車が売れなくなります。実際、王侯貴族か一番裕福な層用に製作されるファントムシリーズは、1939年にファントムⅢが生産中止(当館のは1938製)の後、1950年にファントムⅣが生産開始となりますが、18台しか生産されていません。

 さすがのロールスロイス社も時代の波に逆らえず、自社でボディ製作を始め「スタンダードスチールボディモデル」として売り出します。当館に展示用として置いてある「1961シルバークラウド」「1976シルバーシャドウ」「1990シルバースーパーⅡ」がこれにあたります。

 しかし、プライベートな2ドアモデルや豪華なリムジンなど、複雑なボディ製作は、それまで通りコーチビルダーが担当することになります。1960年代、英国には300余りのコーチビルダーがあり、その最高峰に君臨するのが、このコーニシュⅡを含め、当館の多くの車を作ったマリナー・パークワードです。

 この会社は諸説ありますが、当館1936年製25/30を作ったアーサーマリナー社、1954年製シルバーレイスを作ったHJマリナー社、1938製ファントムⅢを作ったパークワード社を合併させて、ロールスロイス社が傘下に置いたものです。

 ロールスロイスがBMWに、ベントレーがフォルクスワーゲングループに身売りされる前のクルー工場に於いては、ロールスロイス社の職人に混じり、MPWの職人集団がアルミ板を木製ボディに当てて木槌ハンマーで打ち、あの美しい局面を作り出し、それを溶接したり、クルミの木の根っこを削りウッド部分を製作したり、コノリー社製の最高級レザーを裁断したりの業務にあたっていたそうです。

 現在このクルー工場では、フォルクスワーゲン傘下となったベントレー特注モデルの製作にあたっているそうです。

ルーチェロータリークーペ④

日本で最も美しく、儚い車、しかも当時最も先進的でした。

マツダが世界で初めて実用化(ドイツヴァンケルが開発)
したロータリーエンジンを積んだ、マツダ初めてのF F(フロントエンジンフロントドライブの略)、天才ジウジアーロデザインで日本で初めての三角窓のないクーペスタイル。しかも、当時小型スポーツカーが大流行の中に於いて、一回り大きい車体作りでありました。

そのため高価で若者向きではなく、3年間で976台しか作られませんでした。

ロータリーエンジンの三角形のローターの角は、カーボンファイバーをもっても10万キロ迄で摩耗、またマツダの工場は海辺にあったため、車体の腐食もはやく、現存するルーチェロータリークーペの数は極めて少ないと、思われます。

当社としても、3台手に入れましたけど、最終的に1台レストアがやっとと思われます。

カリスマ、整備士さん、頑張っています。しかし、次次と難関が訪れます。
 アペックスシールは手に入り、ガスケットは手作り、しかしシリンダー本体同士の間に入る、0リングが1つ(4つのうち)が足りません。

頑張ってください

イカール③ 美女と犬

イカールの版画は、美しい女性が主役ですけど、脇役には、様々な動物が描かれています。中でも1番多いのが、犬です。

1番有名なのが「スピード」のシリーズ

光が入って上手く撮れていませんけど、実物はもっと素敵ですよ

フィギュアになると、犬の存在感が増します

 

コーニシュ物語③コーニシュ通りの思い出

 コーニシュの語源は、ヨーロッパのお金持ち達が別荘や豪華クルーザーを所有する、南フランス〜イタリアのリビエラ地方の、ニースからモナコに行く道路の名前です。

 コーニシュを買って数年後、妻とこの地方に旅行に行きました。泊まったのは歌で有名なホテル・ル・ネグレスコですが、私が「ラブホテルみたい(外観の話)」と言うと、「日本のラブホテルが真似したのよ!」と、妻に怒られました。

 モナコに入ると、F40が普通に路上駐車してあるのにびっくり。また007の映画などに出てくるカジノの前には、スカイブルー塗り替えられたクラウドⅠが駐車してあり、その場に溶け込んだ美しさにうっとり。やはり、「サーフラインがあるのが本当のクラシックロールス」と言う考え方もあるのに納得。後のファントム6購入の布石となりました。

 山側のグランド・コーニシュ通りをレンタカーで走っていると、昼飯時間となり、タイミング良くレストランがありました。外観は普通ですけど、表の黒板に「Truffe Salad Lunch」とえらい高い値段が書いてあったので入ってみることにしました。田舎者の私にはTruffeの意味がもう一つ解ってなかったのです。運ばれて来たサラダには、普通のディナープレートいっぱいの野菜の上、その野菜が見えないくらい、直径5㎝以上と思われる厚めにスライスされたトリュフがのっていました。

ルーチェ・ロータリー③

最も美しく、儚い車

おむすび形のローター(レシプロならピストン)の角に、アペックスシールを組み込む。
これをカーボンファイバーにしたのが、マツダの発明‼︎

シリンダー2個、センターとサイドチェンバー3個を結合させる、22個個ボルト穴のOリング、88個‼︎

サイドチェンバー(サイドシリンダー)、鉄製、カリスマ整備士の息子さんが赤く塗りました。シリンダー部に空いている穴は、吸気口。
排気はシリンダー部から。
これにより、複雑な、カム、カムシャフト、タペット、バルブの機構が省略される。

オイルパンパッキン、紙製、手作り‼︎

カリスマ整備士と、その息子さん
島には、いなくてはならない人。
船舶関係、農機、建設機機、牡蠣養殖のコンベアー、造り酒屋の機械、なんでもなおします‼︎
カリスマ整備士が話は、次回します

コーニシュ物語②(15の5、2W4S)

 ロールスロイスのエンジンは、1910代に世界一の座を獲得し、第一次世界大戦では、空を圧巻しました。今でもジェット機のエンジンに使用され、その安定性と耐久性は一世紀に渡り、世界一の座を保っています。

 

 ロールスロイスの機関系を心配する日本人は多いが、それを:

 アメリカで言ったら「笑われる」

 ヨーロッパで言ったら「バカにされる」

 英国で言ったら「怒られる」

そうです(シーザートレーディング宮本社長談)

FHロイスさんの理念は、「100年160万キロ走る車を作る」ことですから。

 初めて、コーニシュを購入したとき、宮本社長からご教示受けた「コーニシュの乗り方」を参考に、30年間トラブル無しで乗り続けた筆者が考えた標語は、

「15の5、2W、4S」です。

 ①15とは、ドアを閉める時、15㎝手前で一度止め、それから引く(女性をエスコートするときは、外から両手で押し)閉める。という事で、これはコーニッシュのドアはアルミ製ですが大きいために重く、その割には内側のロッドが華奢なので、日本車やメルセデスのようにドーンと閉めると、1発でドアが沈下してしまいます。あるディーラーの試乗会に行って、うっかり車の移動を任せ、この体験をしたことがあります。

 他人の家の玄関ドアを閉める時、大きな音をたてて閉める日本人はいないのと同様、車のドアをバーンと閉める英国紳士はいません。

②5とは、キーを差し込み、エンジンをスタートさせるまで、5秒待つという事です。これは、燃料ポンプがガソリンを送るのに3秒かかるのと、コンピューターの立ち上がりにかかる時間です。

③2Wの最初のWは、ウォームアップのWです。エンジンがかかって、インフォメーションパネルのランプが、サイドブレーキのP以外のランプが消えるのを待つという事です。この間に、油圧のリアサスペンションの圧をためます。夏場で1分弱、冬場で3分ほどですが、私は水温計の針が動き出すまで待ちます。

③2Wのもう一つのWは、ウインドウを一つずつ動かすという事です。ウインドウを動かすのはモーターですけど、4つのウインドウを同時に動かすと、それぞれのモーターに行く電圧が下がり、負担が増します。これがモーターの寿命を縮める結果となります。

④4Sの最初のSは、シフトレバーです。コラムについているシフトレバーは、電気接点で認識して変速機に伝える構造となっていますが、PからR、N、を通り越してDに入れる時、1クリック毎に、トン、トン、トンと丁寧に動かすという事です。一挙にトトトンと動かすと、電気的にはRで認識したまま、レバーはDに入っている事になります。

 会社で使うパークワードリムジンの運転手に、車好き(ヤンキータイプ)の運転手を採用したことがあります。彼は結局4回車をぶつけました。彼の言い訳は決まって「ドライブに入れてるのに、バックしたんです」

⑤二番目のSは、スピードコントロールです。ロールスロイスに急発進、急加速は厳禁です。また、似合いません。軽に割り込まれても、平然としていなければなりません。

 やはり、若い職員で、いつもはクラウンに乗っていて、運転に自信を持っていた職員から、あるとき電話がありました。

「エンジンが回っているのに、車が動きません」

見事にドライブシャフトが、折れていました。2l、2tのクラウンも、6.7l、3tのロールスロイスもシャフトの太さは変わりません。2lで瞬時に6000回転に上がるクラウンと同じつもりで、6.7lで4500回転まで、強大なトルクを持つロールスロイスのアクセルを操作すると、ドライブシャフトに大きなねじりの力がかかります。これにより金属疲労が早く進み、こういう結果となります。

⑥3番目のSは、ステアリングです。ロールスのハンドルは、アメ車同様軽く片手で操作出来ます。しかし、据え切りは厳禁、カクンとなるまでいっぱいまで切るのも避けた方がいいです。これは、パワステポンプやその他の機構に負担をかけるからです。

⑦最後のSは、サイドブレーキです。これは、足踏み式のサイドブレーキペダルを、まっすぐに丁寧に踏むという事です。このペダルの造りが意外に華奢なので、斜めに強大な力で踏むと曲がる恐れがあります。

 

 ロールスロイスに乗るには、このような決まり事が多くあります。

 

 しかし、上記はロールスロイスに限らず、全ての車を長持ちさせるコツ、とも思われます。

イカール②

イカールは、美しい女性を、脇役をつけて描いています。

有名な、2点:リリー

オーキッド

光が入って上手く写真に撮れていませんけど、実物は素晴らしいですよ

 

可愛いフィギュア

ご案内⭐︎

会員の皆様、こんにちは

海の家:マリンハウス、少しずつできています。
シャワーユニットを入れました

大きな水槽も入荷しています

7月の海開きには、間に合いそうにありませんが・・・

コーニッシュ物語①

平成4年春先、映画を見に行き終わった後、嫁はんが席から立てなくなりました。椎間板ヘルニアです。MRIでみても突出の程が著明で、手術適応と思われました。

 嫁はんは「手術は絶対嫌だ」という事で、保存的に治すこととしました。入院中、ベッドサイドで車の雑誌を読んでいて見つけたのが、ロールスロイス•コーニッシュです。ロールスロイスの乗り心地の良さは「世界一」と言われ、コーニッシュはドロップベッド(英国では
オープンのことをこう表現する)であるから、幌をオープンにすれば腰を伸ばしたまま車に乗り込むことが出来ます。

 しかるに、嫁はんが退院してから、毎週温泉巡りをすることになりました。調布市にある、(株)シーザートレーディングさんから購入したこのコーニッシュⅡは、ほぼ30年間故障無しで私の一番信頼できる愛車です。

2年前に、松田聖子さんが、眼鏡市場のコマーシャルに出演された時に乗った、ピンクメタリックのコーニッシュⅡも手に入り、嫁はんの愛車になっています。これは、世界19台だけ作られた純正カラーものの内、最後の1台です。

会員の皆様へ

会員の皆様こんにちは

③桟橋に、電気と水道、設置し終わりました。  
瀬戸内唯一と思われる、砂浜を跨いだ本格的な、桟橋。台風などの大波に備えですはね上げ設備いりますし、それ用に水道菅、電線管も長くしないといけないし、何かとお金がかかります。