シルバーゴーストのパルテノングリルには、まだspirit of statue(フライング・レディ)も載ってなく、フィンもありませんでした(写真1)。ファントムⅠになると、縦フィンが付きます(写真2)。この時代「ベビーロールス」とも呼ばれた20HPのロールスロイスには、横フィンのもありました(写真3)。
写真1
写真2
写真3
そこで、パルテノングリルのこの100年の変遷を、当館の車で比べてみました。
そこで、パルテノングリルの変遷を当館の車で見てみましょう。
1936 25/30 アーサーマリナーコーチビルド
横55cm、縦69cm、14フィン、
ラジエター水タンクを兼ねています
1938 ファントム3 HJマリナーコーチビルド
横58cm、縦70cm、14フィン、
ラジエター水タンクを兼ねています(上部)
1954 シルバーレイス フーパーコーチビルド
横55cm、縦57cm、14フィン、
水温により開閉する
1963 シルバークラウド ツーリングリムジン100、ジェームズヤングコーチビルド、
横52cm、縦58cm、20フィン、
スタンダードモデルと同じ
1972 コーニッシュクーペ マリナーパークワードコーチビルド、
横55cm、縦40cm、22フィン、
オープンモデルと同じ
世界 19台、日本1台の純正ピンクメタリック、しかも最後の1台、ロールスロイス史上、最高にお洒落れ、と、個人的に思います。
1973 ファントム6、マリナーパークワードコーチビルド、
横55cm、縦67cm、20フィン、
1976 シルバーシャドウ2 スタンダードスチールモデル、
横56cm、縦37cm、22フィン、
ヘッドライトワイパーついてる
1976 カマルグ ロールスロイス唯一の社外デザインーピニンファリーナデザイン、マリナーパークワードコーチビルド、
横69cm!、縦38cm、26フィン!、唯一4度前傾している
1991シルバースパー2 スタンダードスチールモデル、
横65cm、縦35cm、24フィン
珍しい四角四つ目
コーニッシュ5、マリナーパークワードコーチビルド、
横65cm、縦31cm、24フィン、
プレス鉄板に、クロムメッキになる!
ロールスロイス社がBMWに身売りされる前の、最後のモデル!
コストダウンされた姿に、哀愁が漂う
フライイングレディも隠れる
職人の手間と、心意気
ステンレスを内側から溶接して作るグリル上部
コーチビルドモデルは、エッジが鋭い!
溶接も、ヤスリかけも、最高の技術で行われている↓
スタンダードモデルは、エッジが丸みを帯びているーそこら辺のキッチンと同じ↓
さらに、コーニッシュ5になると、鉄板をプレスしクロムメッキ!、継ぎ目もありあり!
悲しい
しかしこのコーニッシュ5は、セラフとも、アズールとも全く違うボディ設計、2000年から3年間で374台しか作られていません。しかも日本はこの間不景気だったので、税込みで5000万するこの車は、8台しか売れなかったそうです。