ロールスロイスは、他の車と並んでいると、やはり何か際立った高級感が漂います。その理由の一つは、フロントに燦然と輝くパルテノングリルと、その上のフライイングレディの存在でしょう。
最近の車によくみられるメッキ部分の多くは、プラスチック部品の上に銀メッキしたものですけど、ロールスロイスのグリルはステンレス鋼が精緻に加工されたものです。このパルテノングリルの誕生に関しては、このお知らせの8番目に記載してあります。
全てに見た目の美しさを追求したのが、エットーレ・ブガッティですけど、FHロイスさんも、外観の美しさを求めてたどり着いたのが、このパルテノングリルです。「シルバーゴースト」を、車体を全てシルバーに塗ってデビューさせた事といい、ロイスはデザインに関しても完全主義者であったわけです。一時空力的な不利からFHロイスは、これを変えようとしたことがありますが、マネージメント担当、ロールスロイス社創立の第三の男、グロード・ジョンソンにより却下され、このグリルのデザインは100年続くことになります。
40年近く前、テキサスのがんセンターで2年ほど研究員として働いた後、筆者は2週間ほどヨーロッパを旅行して廻りました。ヨーロッパ最後の地がギリシャで、アテネに着いたのは夕方でした。アテネの街の中心部に入ると、一番に目に入ったのが、アクロポリスの丘に立つパルテノン神殿です。すでに夕暮れに差し掛かった街の中で、夕日を浴びて真っ白に輝く神殿の美しさは、今でも目に浮かびます。翌日朝早く神殿を訪ねると、今度は反対側から朝日を浴びる神殿を眺めることが、出来ました。
このお知らせの8番目に記載した通り、この神殿はエンタシスという人間の目に映る錯覚を矯正するように、様々な技法が使われています。その下に立って見上げると、「あらゆる西洋建築のルーツはここにあり」と、感じさせられます。この白い大理石で出来た建物は、ある時は弾薬庫に使われたりしたそうで、2500年に渡って人間たちの営みをこの丘の上から見下ろしてきたという、歴史の重みを感じます。これはそれまで見てきたフランスやイタリアの壮大な教会や宮殿に勝るものです。
シルバーゴーストのパルテノングリル
ファントム3のグリル
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コーニッシュのグリル